脂漏性角化症の原因と治療方法

脂漏性角化症は、ある程度年齢を重ねた人のほとんどに発生するほくろのようなシミです。
皮膚疾患の1種で、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも言われています。

脂漏性角化症は、皮膚科で治療を受ける事で綺麗に消す事が出来ます。
どういう方法で脂漏性角化症を消すのか、どのくらいの費用が掛かるかなどは以下に挙げているので、参考にしてみてください。

目次

脂漏性角化症の原因

脂漏性角化症の原因は、紫外線と加齢となっています。
長年紫外線を浴び続けた肌は、見えなくてもダメージが積み重なっていき、やがて加齢という要素が加わって出来たものが脂漏性角化症です。

加齢によって肌が老化し、代謝機能が落ちて肌の再生が遅くなる事で、上手くメラニン色素が代謝で排出されずに沈着します。
そして、脂漏性角化症となって現れ、容姿に影響を与えるほど濃く大きく成長します。

脂漏性角化症は自然治癒しない

脂漏性角化症は適切な治療が必要で、放置しても自然治癒することは事はありません。
原因の一つに加齢が関わっており、肌が持っている生まれ変わりの力が衰えているため、何もしなければ脂漏性角化症は大きく、そして濃くなっていきます。

脂漏性角化症が取れた場合も再発する

脂漏性角化症は、時に指で触るとぽろぽろと取れる場合があります。
しかし、脂漏性角化症のもとになる部分は残っているので、その後再発し刺激によって、さらに大きく濃くなる事があり、脂漏性角化症が取れたとしても一時的なものでしかありません。

脂漏性角化症はメラノーマが隠れている事がある

脂漏性角化症の怖い所は、日光角化症や皮膚がんといったメラノーマ(悪性腫瘍)が隠れている事です。

脂漏性角化症のようなシミで、赤いものは皮膚がんの卵である「日光角化症」である可能性、盛り上がったり形がいびつなものは皮膚がんである可能性があります。
脂漏性角化症自体には健康リスクはありませんが、出来る限り治療をした方が良いシミです。

脂漏性角化症を市販薬で治療する方法

脂漏性角化症を市販薬で治療する方法

脂漏性角化症は、薬を使う方法と皮膚科で治療する方法があります。
薬を使う場合は脂漏性角化症が治るまでに時間がかかる事も多いので、根気も必要です。

市販薬「イボコロリ」などで脂漏性角化症を治す

市販薬であるイボコロリは脂漏性角化症にも効果があるので、使い続ける事で一定の効果を期待できます。
ただし、基本的にイボコロリなどの軟膏は顔に使う事が出来ません。

漢方薬系の軟膏であれば使えますが、そうでなければ顔には使わないで下さい。
イボコロリなどの市販薬は、1,000円前後から購入出来ます。

木酢液や杏仁オイルで脂漏性角化症を治す

木酢液や杏仁オイルといった自然由来のものでも、脂漏性角化症は治す事が出来ます。
しかし、木酢液は臭いがきつく、顔に使うには向いていません。

杏仁オイルは顔にも使え、安価なのでお金を掛けずに脂漏性角化症対策をしたい時に向いています。
木酢液、杏仁オイルともに価格は数百円から1500円程度です。

市販薬での脂漏性角化症はおすすめできない

市販薬での脂漏性角化症は、3つの欠点があります。

1つは、市販薬は自力での治療なので、メラノーマなどがあった場合は発見が出来ず、後に健康に関わる事があるという点です。
もう1つは、市販薬で取れた脂漏性角化症は全体の一部分である事も多いため、脂漏性角化症の元が残り再発することがあり、根本治療にならないこともあります。
最後に、脂漏性角化症に効果のある市販薬は顔に使えないものが多いという点です。

脂漏性角化症の根治を考えた場合は、どうしても市販薬では足りない部分が出てくるので、完全に脂漏性角化症を治したいのなら、皮膚科での治療が唯一の選択肢になります。

皮膚科で脂漏性角化症を治す

皮膚科で脂漏性角化症を治す

皮膚科での治療の場合、治療法次第では健康保険の適用があり、保険適用時で1回の治療に付き1万円から2万円ほどの費用がかかります。
脂漏性角化症が出来た部位によって治療方法が変わりますが、基本的にはメスで切除するか、レーザーで焼いてしまうかの2択です。

脂漏性角化症を手術で切除する

脂漏性角化症をメスで直接切除する方法は、皮膚科での脂漏性角化症治療としては一般的です。
安全性が高い方法で、脂漏性角化症を削り取るように切除します。

切除した際、脂漏性角化症の根本まで取るので少々の出血があります。
ただ、2週間程度で傷口は消えるので、脂漏性角化症の治療としては早い効果が期待出来るものです。

電気メスで脂漏性角化症を焼く

脂漏性角化症は電気メスを使い切除することも多くあります。
通常のメスによる切除と同じで、脂漏性角化症を根本から治療出来ますが、少々のやけどのが残るので手術後は肌ケアが必要です。
通常であれば、手術の跡は2週間ほどで消えてしまいます。

レーザーによる除去

脂漏性角化症に炭酸ガスレーザーを当てて、脂漏性角化症を元から削り取る方法です。
切除や電気メスでの焼灼と同じく、脂漏性角化症の根本治療ができる方法として有力な治療方法の1つで、顔の脂漏性角化症を治療する場合の第一選択肢でもあります。

頭皮の脂漏性角化症には液体窒素

頭皮にできた脂漏性角化症には、液体窒素による凍結療法が行われます。
脂漏性角化症に液体窒素を当てて、凍らせて脂漏性角化症の細胞を死滅させる方法で、2週間程で脂漏性角化症だった部分を自然に脱落させる方法です。
この方法は、1度では脂漏性角化症を完治出来ない事があるので、2回から3回ほど繰り返される場合があります。

毛根への影響があるので、ときに治療した部分が薄毛になる事があります。
1、2回の治療であれば自然に元に戻りますが、薄毛が気になる場合は医師との相談が必要です。

脂漏性角化症を皮膚科で治療する時の費用

脂漏性角化症を皮膚科で治療する時の費用

脂漏性角化症を皮膚科で治療する場合は、1回の治療では終わらない事があります。
そのため、高い場合は10万円程度の費用が掛かる事があるので、高額医療費制度の活用も視野に入れておいてください。
高額医療費制度は収入や年齢で自己負担の上限が変わりますが、一般的な世帯であれば約8万円を超えると、払い戻しの対象になります。

脂漏性角化症の1回の治療費

脂漏性角化症の1回あたりの治療費は、基本的に保険適用があり、負担額は約6,000円から2万円ほどです。
脂漏性角化症の治療は手術なので、1回あたりの治療費は手術としては安めになっています。

脂漏性角化症と病理組織検査

脂漏性角化症だと思って切除されたものがメラノーマ(悪性腫瘍)である場合もあるので、病理検査をすることもあります。
病理検査をする場合は、追加費用として3,000円程度掛かります。

脂漏性角化症は再発する事も多いので、根治することを目標にした方が、経済的、身体的負担を減らせます。
特に悪性腫瘍が隠れている場合もあるので、小さく脂漏性角化症数が少ないのであれば市販薬でも良いと言えます。
ただし、数が多く大きい脂漏性角化症の場合は、皮膚科での治療をオススメします。