遅発性両側性太田母斑

遅発性両側性太田母斑は、20歳を過ぎてから主に両方の頬の部分に現れるシミの一種です。
正式には「両側性遅発性太田母斑様色素斑」というもので、ADMとも言われるシミの中でも特有の特徴があります。

このシミは必ず左右対称に現れるのが最大の特徴と言えます。
発生すると必ず左右対称に二か所発生し、大きさもほとんど同じ形で現れるので、シミとしてはよく目立つものです。
特徴である左右対称に現れる事が肝斑と同じであるため、遅発性両側性太田母斑と肝斑が同時に発生することも珍しくあります。

発生すると容姿に大きな影響がありますが、遅発性両側性太田母斑は治せるシミです。
どうすれば遅発性両側性太田母斑を治せるかを以下に挙げているので、参考にしてみてください。

目次

遅発性両側性太田母斑の原因

遅発性両側性太田母斑の原因は、20歳を超えてから色素細胞が活発に活動し、真皮にメラニン色素が沈着する事で発生します。

色素が真皮に沈着してしまうと、そのまま表皮の内側に留まり外に排出されません。
そのため、表皮越しに黒い色が広がり、最悪の場合手のひら大になる事もあるシミです。

遅発性両側性太田母斑は「腫瘍」

遅発性両側性太田母斑は、シミの中でも皮膚の奥に出来るもので、種類としては「腫瘍」の一種です。

腫瘍とはがんと同じで、身体の制御を受け付けずに自分勝手に増えていく細胞の事なので、治療をせずにいるとだんだんと色が濃く、そして大きくなっていきます。
ただし、腫瘍と言っても遅発性両側性太田母斑は決して悪いものではなく、単純に腫瘍の条件である「細胞が制御されずに異常増殖する」ということを満たしているだけで健康リスクはありません。

遅発性両側性太田母斑の場合は色素細胞が腫瘍かして増えるので、増えた分だけシミという形になっていきます。
真皮の奥にできる腫瘍であるため、その治療法はレーザー治療という「手術」しかありませんが、治療を行えば確実に治るシミです。

遅発性両側性太田母斑の治療はレーザーのみ

遅発性両側性太田母斑の治療はレーザーのみ

遅発性両側性太田母斑を治療するには、外用薬や内服薬ではあまり効果が得られないので、レーザーを当ててシミの部分を物理的に処理することになります。
治療方法としては他のシミと同じ方法なのですが、遅発性両側性太田母斑の場合は、他のシミと違いレーザー照射による治療しか選択肢がありません。
消そうと思うのなら、病院で治療する他はありません。

遅発性両側性太田母斑は保険適用可

両側性遅発性太田母斑様色素斑は保険適用であるため、レーザー治療としては安価です。
効果も十分に期待出来るので、治療を受ければほぼ綺麗に消す事が出来ます。

レーザー照射は一時的に肌を傷つける事になります。
術後は保護が必要になりますが、治療の効果は確実に得られるので、早めに治療を受けた方が、このシミに悩まされることはありません。

肝斑と遅発性両側性太田母斑は同時に発生した場合

肝斑と遅発性両側性太田母斑が同時に発生した場合は、まず肝斑の治療が優先です。

肝斑は内服薬で消えるので、トラネキサム酸やビタミンCなどで肝斑を消してから、遅発性両側性太田母斑の治療が始まります。
ただし、ワーファリンを服用している場合は、内服薬での治療が出来ない事もあるので、この場合は医師との相談が必要です。

遅発性両側性太田母斑の治療に掛かる時間

遅発性両側性太田母斑の治療に掛かる時間

医師の判断にもよりますが、通常は2~3回にわけて治療が行われます。
1回レーザーを照射後、レーザーによるやけどのような跡が消えてから再度レーザーを当てるという事を繰り返し、シミを消して肌を正常な状態にしていくという過程が必要です。

レーザー照射は、遅発性両側性太田母斑の原因がある真皮層のシミを焼く必要があるので、レーザー自体に強力なものが使用されます。
そのため、肌への負担を減らすために通常は数回に分けて治療をしますが、1回の治療で良い場合もあり、治療回数はシミの状態次第です。

遅発性両側性太田母斑の治療時間は短い

両側性遅発性太田母斑様色素斑のレーザー治療に掛かる時間は、1回数分です。
シミの範囲が広いと時間がかかりますが、長くなっても10分程度で終わります。

遅発性両側性太田母斑の治療跡は3~6か月残る

両側性遅発性太田母斑様色素斑は真皮に出来るので、レーザーもそこまで届くものを使用します。

やっている事は皮膚をシミごと焼く事なので、治療跡はやけどのような状態です。
そのため、両側性遅発性太田母斑様色素斑の治療が完全に終わるのは3か月から6か月と、長い時間を必要とします。

治療中は紫外線ケアや殺菌などが必要になるので、治療中のケアについてはよく医師と相談をしてください。

遅発性両側性太田母斑の治療の費用は?

遅発性両側性太田母斑の治療の費用

治療にかかる費用は1回あたり約1万円程度ですが、シミの広さによっては2万円程度になる事もあります。
また、治療中のスキンケアに使う軟膏によっては、もう少し治療費が掛かる場合もあるので、1回に付き15,000円程度を目安に考えておいてください。
基本的に3回ほど治療は必要なので、全部で45,000円程度が必要です。